30代のおっさんが読んだ「君の名は。Another Side:Earthbound」の感想

ネタバレを含む感想

 

君の名は。」がいい作品でAnother Side本まで

買ってしまったので更に販促をしたい。

世の中には本編の映画でラストお父さんが頑なのにどうやって説得したのかとか

何で瀧と三葉の関係がそんなに急速に発展したのか分からんとか

入れ替わりが都合良すぎるんじゃない?とか

色々言われてますが、これ読んでれば特にそんな疑問もなくなると思うよ

 

君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
 

 

一番感動的なのは三葉のお父さんがどうしてこれまで頑に要望を拒んでいた

娘の説得を聞き入れられたのか理由が分かる最終章ですね

あのシーンは三葉というより彼女のお母さんの

二葉の願いと受け取って聞き入れた様に思えます。

 

本編でよくわからないと思われている点に対する(私の)回答

 

 

Q1.頑だった町長のお父さんはなんで最後に三葉の説得に応じたの?

A.お父さんである俊樹はお母さんの二葉が亡くなった時ひどく悲しみます。

彼女の死を当たり前の事のように受け止めていた街の人間と

因習の支配する世界を憎み政治の世界から街を変えようと行動し町長になりました。

彼は二葉を含め宮水の巫女達がもつイタコ憑きの様な能力はある程度知っていた様で

劇中で三葉の外見をした瀧を看破した事でそれは示唆されています。

二葉が亡くなる前に「これがお別れではないから」との言葉を伝えられ

「この世の全てはあるべきところにおさまる」と

日頃彼女から伝えられていた俊樹ですが

二葉そっくりの三葉が説得にやってきた時

彼女の言葉が間違いではなく、二葉の死を発端に自分が努力して得た権限や立場は

全てこの時の為にあったと運命的にあるべき場所に自分がいると感じずにはいられなかった様です。

Another Side本では三葉の説得を受ける前に義母の一葉と四葉が訪れ

その日の三葉(瀧)の警告について教えてくれており

俊樹は未来の誰かが警告していた事を理解したと思われます。

加えて説得の場面では俊樹は三葉が本人である事を確信しており

その未来の誰かに入っていたという三葉本人の口から

町が壊滅する事を告げられた事で説得に応じたと思われます。

 

Q2.三葉と瀧君はなんでいきなり恋仲になったの?

A.根も葉もない事をいえば瀧君としては

「かわいい女の子でおっぱいを好きなだけ揉めたから」

で三葉としては

「憧れの東京のイケメン男子だったから」

という事が発端ではないでしょうか

そして何より二人がお互いに身体を交換し成りすます以上

相手の社会性、性格、人間関係、家族環境、経済環境

を否応なしに深く理解せざるを得ません。

ちょっといいなと思ってる相手がいる所に

その人の理解をこれだけ強烈に推進され信頼に足る人と思えば

思春期前後の若者は恋愛感情を持たない方が難しいでしょう。

 その信頼関係を決定的にしたのは瀧が命懸けとも言える方法で

三葉を助けにきた事だったでしょう。

最後は二人とも同じ船に乗り命懸けで破滅の回避を試みます。

三葉の体が死ねば最悪二人とも死んでいたでしょう。

 

 あと詳細については

アニメに描写されてないシーンもありますが

まず瀧については三葉の身体に入る度に必ずおっぱいを揉んでいます。

ラストの破滅シーン当日の朝に飛んだ時ですら泣きながらおっぱいを揉みます。

これは映像でも本でも毎度の様に描写されています。

三葉に対して「外見のスペックを活かせてない」と

メッセージを残す描写もありコミカルなシーンに隠れ瀧は三葉の事を

外見的に結構気に入っていると思われる描写が随所に見られます。

 

一方の三葉は田舎の生活に辟易して口噛み酒を作る儀式が終わった後

「来世は東京のイケメン男子にして下さい」と

叫んでしまう程都会に憧れをもっていました。

瀧とその生活環境は彼女の憧憬にぴったり合致していたのでしょう

加えてカフェでおいしくスイーツを(瀧の身体で)食べ

「お金を使いすぎるな!」と言われても食べているのは瀧の身体という事で

三葉は押し切っています。

三葉は瀧がシフト入れ過ぎで遊びにいけない事をぼやいており

 普段は瀧のお金をかなり散財して東京生活を堪能してる様子が伺えます。

Another Side本では三葉は本体に戻った時はきちんとしていて

お金にうるさい人物である事が周囲の人間から言及されているので

要は憧れの東京生活での金銭面は瀧とその生活環境に甘えており

お互いに心許せる素地は出来ていたのでしょう。

その他瀧にはモテそうな要素がいくつも描写されています

 

・中学時代にバスケで少し名の知られたプレーヤーだったり

(体育で披露した後で三葉に怒られた)

 

マイケル・ジャクソンダンスが踊れたり

(後に三葉に禁止された)

 

・イタリアンの料理を手軽に上手に作れたり

(三葉に入ってる時の食事当番の際に披露)

 

・三葉の陰口を言うクラスメイトをとっちめたり

(三葉は黙っているだけだった)

 

後々三葉に怒られはしますが恐らく好意的に受け取られるであろう

要素が瀧には詰め込まれています。

この2名はお互いに恋人がいない事も周知していますし

恋人を作らないと言い張る理由もなんとなくお互いの知る所になったのでしょう

これだけの条件が揃えば少なくとも私には

両者に恋愛感情が芽生えない事の方が不自然に思われます。

 

Q3.入れ替わりの都合が良すぎるんじゃない?

A.入れ替わりの開始は口噛み酒( と組紐)が鍵になるようで

Another Sideでは四葉が自分の口噛み酒を試しに味見してみた所

先祖の巫女の中に飛んで古い神楽舞を教わるお話があります。

口噛み酒を作った後に三葉が神社の鳥居をくぐりながら

「来世は東京のイケメン男子にして下さい!」

と叫んだ事は瀧との入れ替わりが起きた事に無関係ではないでしょう

入れ替わりが途絶えた事については三葉が彗星の落下により死んで

しまった事が原因だと思われます。

三葉と瀧の結びつきは任意の時系列にランダムに発生するのではなく

3年間のずれはきっちり保たれていた様なので片方が死去してしまえば

入れ替わりは一度終息します。

瀧が破滅当日の朝の三葉の中に入れたのは口噛み酒を飲んで

結びを瀧の側からやり直した事で入れ替わりを新規に開始出来た事が理由です。

 

物語の構造的に最初は三葉側から結びを始め

(口噛み酒を作る➡東京のイケメン高校生になりたいと叫ぶ)

次は瀧が結びを作るという良い対称性が保たれていますね。

 

総観

物語というのは当然嘘を含みます。

現実世界に対してもしこういう事があったら、という仮定を置いて

物語を論理的に紡いでいくのでその論理に破綻があれば

真面目にその嘘を受け入れて映画を観ているお客さんは怒りますし

その嘘が受け入れられなかったお客さんは理解出来ないと怒りだします。

君の名は。を観る上で受け入れるべき嘘は

 

”糸守町という町の宮水神社の巫女さんには

代々時空を越えて人の心を結びつける不思議な力があって

口噛み酒(組紐)を鍵にその結びつきは起きる”

 

という事ではないでしょうか?

唯一本編映画冒頭で瀧が何の説明もなく三葉に入っていますが

この時点の瀧は既に3年前に東京を訪れた三葉から組紐を受け取っていた為

その媒介を通して瀧➡三葉の移動のみ成立したのだと思います。

(三葉は神社で転生の願望を叫ぶまで入れ替わりの描写はありませんでした)

 

 

 

 

 

では本日もっかい映画を観てくるとします。

 やはり彗星の落下シーンはおすすめです。