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【ニューロサイエンスネタ】扁桃体と海馬の体積減少について -体積変化によるヒトの感情状態の変化-

扁桃体という部位は人間が恐怖を感じた際に活動し、
海馬という部位は記憶の一時保存と生成に関与していると言われている部位です。
海馬と扁桃体はお互い近い位置にあるので
例えば恐怖(多分喜びも)を感じた時の記憶がよく残るのは
この2つの部位がお互い隣り合う位置に存在する為
情報のやり取りが行われ安い事が要因と言われています。

うつ病統合失調症PTSDの症例では患者の脳画像を撮影した時に
傷が見えたり、扁桃体の体積が膨張している事例が報告されています。
分かりやすい脳画像については松沢先生という方が
ご自身のHPで公表されておられます。
人間が内観的に報告した自身の気持ちの状態と
PETによる血流の相関関係を考察する上で分かりやすいでしょう。

画像
http://www2.ocn.ne.jp/~taijudr/brain2.htm

具体的な方法と考察結果
http://www2.ocn.ne.jp/~taijudr/brain3-2.htm

google scholarで検索をかけると
扁桃体と海馬の体積変化に関して調査した論文は多く
現在注目が集まっている脳の研究内容ではないでしょうか?

http://scholar.google.co.jp/scholar?q=depression+amygdala+imaging&btnG=&hl=en&as_sdt=0%2C5
http://journals.psychiatryonline.org/article.aspx?articleid=173909
http://www.nature.com/mp/journal/v13/n11/abs/mp200857a.html

私は人間の脳細胞は一度死んでしまうと
細胞分裂により機能の回復はされないものだと
大学生の頃までは思っていたのですが、
海馬では神経の新生が起こる※1ので
多少は脳神経の死滅で障害された機能を回復出来るものと考られます。
(回復が可能な障害の程度はあると思いますが)


脳の一部位の体積変化というハードウェアの変質が
人間の感情状態の変化に関与するという研究結果は
感情もまた脳という情報処理装置により生成されているものである
という可能性を示唆しています。
ヒトの感情はニューロンの情報処理とアステロサイトのような
周辺細胞によるエネルギーの供給により維持されています。
動物も同様でしょう、扁桃体と海馬の構造が似た生物なら
ヒトと同じく恐怖の感情も感じるでしょうし側坐核の構造が似ていれば
楽しいという感情も感じる事でしょう。


ちなみに人間の脳細胞は140億個とかよく言われているあれは
一度細胞壁を溶液で溶かして細胞核内の特定タンパク質を染色する手法を使って
大脳新皮質とか、構造毎に細胞数のサンプルをとって推定しているそうですね
よくおよそ〜億個とか言われているのはその為です。


※1ラットとかの研究
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20091008/nr20091008.html