SSRIが治療として大雑把とされる理由

SSRIドーパミン治療薬は
うつ病パーキンソン病の治療に用いられる訳ですが
脳の特定の回路に対して作用する訳でなく
特定の受容体を持つ細胞を有する回路系全体に影響を及ぼします。

TEDでその辺りの話のプレゼンをされた方がいました
http://www.ted.com/talks/david_anderson_your_brain_is_more_than_a_bag_of_chemicals.html

考えて頂きたいのは例えばあなたがコンピューターを修理しようとしたとして
特定の回路にどうやら影響がありそうだという事が
外部から電圧や電力の分布を測定した所分かった
細かい所でどう動いているかは議論の余地があるけれど
大多数の健康に稼働している他の人達の持つ
コンピューターとはそこの回路の活動が異なるので
そこに局所的に干渉する必要がありそうだ。

そういう時に「よし!全体の温度を下げてみよう」
とか
「よし!電力消費上げる為にちょっと高圧の電源に変えてみるか!」
とか
そういう事やってもあまり有効ではありません。影響を与える領域が広すぎるのです。
でも現代の臨床現場で精神医療がやってる薬物療法はこれと大差ないものです。
MRIでは漠然とこの当たりの血流が下がっているというのは分かる
つまりその周辺のニューロン群で血流の中の物質と反応する速度が落ちている。
じゃあそこの回路に介入するには例えば外部から磁場を使用して
局所的に電流を流し刺激したり(TMS)
侵襲的に直接刺激する方が副作用は少なくてすむんじゃないだろうか(DBS)
というアプローチになるでしょう

精神病に対する薬物療法は今後より、
局所的な影響をもたらす治療法に取って代わられるでしょう

薬物を使用する問題は患者に対する副作用、
具体的な回路の活動と症状の因果関係の分析が困難になる事
合う薬が見つかる(その個人の障害されている回路に働きかける化学物質が見つかる)
まで患者の経済的負担、身体的負担を増やしながら
実験的に複数の薬を試す事態になりかねない事
中毒症状の誘発、詐病者を増やしかねない、薬が流されかねない
などなど、少なくともネガティブな側面がこれだけ存在しています。

医学とテクノロジーの進歩で徐々に局所的な方法での治療が広まっているので
その効果が上がる事を願います。

なにより精神病を科学的に説明可能な現象にしてもらいたい
局所治療が進めば、この残酷な病理に対する科学的な理解が得られます。
それは社会からの嫌悪と恐怖の対象とされてきたわけのわからないもの
という見方から患者を解放してくれると確信しています。