ジョブズとアラン・ケイ

UEIの清水CEOの日記は勉強になるし
コンピューター業界のネタを提供してくれるので時々読ませて頂いているのですが
今回はMITメディアラボの有名な研究者、石井裕教授に会いに行かれてたそうです。

CEOの日記
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20131120/1384896073

石井教授は私も講演会の場で拝見しました
入場条件が確か自分がやってる面白い研究課題の概要を開催者に提供する事だったので
BMIについての話をネタに入場させて頂いた講演会でしたが
100年先の事を考えて研究に打ち込んでいると仰っていました。
廊下で目の前にいらっしゃった事もあったのでBMIをネタに
何か喋ってみようかとも考えましたが、
世界的に有名なタンジブルインターフェースの研究者にふる
BMIのネタも固めていなかったので(その頃ようやく電気刺激の話を読み始めた段階だったか)
お辞儀して去りましたが

日記の中でお二人のお話に登場するアラン・ケイは現代のコンピューターに標準で搭載されている
マウスやGUI等のインターフェースとオブジェクト指向のプログラミングメソッドを確立した人で
現在のPCの形を完成させたのはこの人のDynabookのアイディアでしょう。
スティーブ・ジョブズはそのインターフェースをLisaとMacintoshiに実装した訳です。
ゼロックスのパロアルト研究所でジョブズGUIとマウスのアイディアを目の当たりにして
自分のマシンに導入し、ゲイツと争ったこのエピソードは有名ですが
印象的なのはある分野で天才的な人たちでもまず模倣から出発して
独創的な製品やアイディアを生み出している点です。

ジブリ美術館でも宮崎駿が「誰しもに模倣があり、模倣されたものも模倣から始まっている」
という旨の彼の自画像(豚の姿をしている)の吹き出しに書きこんでいました。
人間はバトンを受け取ったり渡したりしつつ自分なりにそのアイディアを磨いていく生き物のようです。
でもただの模倣で面白いと思ったものは今までありません。
もらったものにオリジナルの要素が融合するから面白く、良い製品が生まれるのは間違いないのですが
このオリジナリティを生み出す為に、良い仕事をする人の多くは
自分の作品の評価基準となる美意識を持っていると思います。
この美意識、下手をするとただの思い込みとなり独善的な判断を下す代物になってしまうので
扱いには注意が必要でしょう。
芸術家とか漫画家の人で「売れたくない症候群」とか罠にかかってもがく人がゴロゴロいるようです。
美意識と現実のバランスが取れている人は良い仕事が出来るのではないでしょうか
ジョブズは映画になるとぶっとんだ面ばっかり強調されがちですけど
下のインタビューを観ると、思考は論理的かつ明晰、
良い製品を生み出す為には妥協も必要だと分析していて現実的な考えを持っています。


アラン・ケイの言葉を引用するジョブズのインタビュー




ジョブズは商業的に愛される製品をデザインするという点において
能力が高く、良い製品を作るためにチームを競争させる能力も高かったのでしょう。
磨き上げられたコーヒ缶の中の石ころのエピソードでは
Macintoshiはチームの努力により生まれたと述べています。



ちなみにアラン・ケイはまだ存命です
なんだかこれだけ名前が出てくる歴史的業績を残した人物は
すぐに故人だと思われがちですが、コンピューター業界では
流れが早いだけに存命中の歴史的人物は多数おります。