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電王戦 終局 人間と計算機の関係 ー思考という言葉が含む意味の変化ー

チェスのように将棋の世界においても人間が計算機に遅れをとる
世界の到来となりました。


投了の瞬間

最終局後

youtubeにまだ動画あると思います。


以前のエントリー
http://d.hatena.ne.jp/manjirou99/20130401/1364828810
でおそらく羽生さんが相手でも計算機側が勝つと
申し上げたのはソフトウェアもハードウェアも
序盤のマシンより更に強いバージョンにする事が
可能だと知っていたからですし、
現実実際にA級棋士が敗北するという展開になりました。
渡辺竜王は以前ボナンザに勝利していますが、
市販のサーバー型マシンを使用していましたし
ボナンザとGPS将棋では使用しているアルゴリズム
別の流派に属しているものです。
GPS将棋は確率探索を行っており、
ボナンザはプロ棋士棋譜の学習の最適化を行っています。
ちなみにGPS将棋はAmazon EC2iMacを使用して以前大会に
参加しているのである程度性能が計算できるiMac
クラスターを組んだという事なのでしょうね)

これで将棋の興行性が落ちるかというと微妙な所です。
仮にロボットがロボコンサッカー大会で人間に不可能なスペクタクルな
世界を魅せてくれる世の中になったとしてサッカーは競技としての魅力を
失うでしょうか?
人間はあくまでタンパク質なり有機体で作られた身体を使いこなしながら
育つわけですから多くの人がその身体に親しみを持っている訳です。
その身体を鍛え上げ、上手く扱う事への賞賛がプロサッカーの人気を支える
素地となっているのだと思います。

人間の脳を上手く使いこなす人たちへの賞賛と勝負への畏敬の念は
これからも将棋というゲームに人が熱中する魅力を提供してくれるはずです。
今回のイベントに参加された将棋連盟関係者の方々、電王戦の企画に携わった
ドワンゴスタッフの皆様、ソフトウェアと対局されたプロ棋士の方々
本当にお疲れ様でした。面白い勝負を拝見させて頂き、
ありがとうございました。

iMacクラスターマシン作成した人もがんばった


さて、今回の電王戦は計算機を上手く使用すれば
人生をかけて訓練を積んだ人間の脳のアウトプットより
優れた出力を出す事が出来る事を証明する結果となりました。
計算機はある種脳をモデル化して作ったようなものだと思っているので
自分たちの計算力より効率よく結果を出す脳の代わりをする機械を作ったんです。
計算機が脳をモデルにしているのならある意味
コンピューターを使う人は思考の過程の一部分を
計算機に委託しています。
自分で考えるより効率のよい結果を出力してくれるのなら
ウェアラブル化するコンピューターはどんどん
人間の肉体と同化する流れを辿る事と思います。

そうなってくれば小手先の思考は意味を持たなくなり
感性や感情を発揮してマシンに出来ない事を創造する仕事が
人間の知性の主な役割となるはずです。
それは少数派の思考が多数派へ拡張していく過程と共に
価値を生み出していくことなのでしょう


iモードニコニコ動画のサービス構築者の一人
夏野さんのよい文章があったので紹介
http://toyokeizai.net/articles/-/12533



MIT教授のヒュー・ハー氏 彼はサイボーグの一人です。
http://courrier.jp/blog/?p=11042



プロの興行性はチェス同様落ちないと思います。
次回の電王戦では羽生善治氏と渡辺竜王に出て頂いて
電王戦は最後にしてもらいたいです。
計算機科学は人間の競技とは別の機械同士の競技として
更に将棋を高みへ押し上げるという仕事があります。
将棋の探索木を底まで読みきることが出来れば
将棋というゲームの終焉となるでしょうが
ノイマン型のマシンでは現実的な時間内で解けないでしょう
これは地球に存在する資源をすべてマシンに変換して
並列計算を行わせたとしても無理な時間になるんじゃないかと思いますので、完全に底まで読みきる為には原理の違う計算機の
実用化が待たれますね
ソフトウェア開発者の大会としてソフトウェアでの対戦は
これからもやって欲しいですね

電王戦 エンディング