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2015-2016年に購入した面白かった漫画と書籍のランキング&短評レビュー 5位まで

 

 個人で購入した漫画と書籍のランキング

最初は2016年に購入したものやろうと思ったのですが

かなりインパクトのある本が漏れてしまうので

脳内本棚の整理を兼ねて2015年からの作品で上位5番目まで短評していきます。

 

漫画

1位 へうげもの

 戦国時代の古田織部の生き様を数寄と茶の湯を中心に

歴史的逸話の数々を見事に脚色/解釈して

漫画的表現で物語を描いた傑作

 実際の歴史では古田織部は大阪の陣の最中に徳川家康から

謀反の疑いから切腹を命じられ刑死していますが

最新の23巻ではとうとう最後の時が近いことを予感させる締めくくりとなっており

恐らく次、か遅くても2巻以内に完結するでしょう。

 

古田織部茶の湯を知らなかった僕に茶の湯への興味を喚起させてくれました。

 

2位 神々の山嶺

 

小説から漫画化された作品。

2巻の壮絶な描写で心奪われました。

登山家、羽生は登山失敗により滑落、重傷を負った身体で

片手片足、口だけを使って25mの壁を登りきり

幻聴の中救助がやってくるまで精神をギリギリの所で持たせ

生還を果たします。

 

描写が詳細すぎるので実物のモデルがいるのではないかと疑い調べてみましたが

現実に存在した登山家、森田勝が実際に滑落事故から生還した際

の方法がモデルとなったようで

ほぼ漫画内の羽生と同じような事をしていました。

現実の重みが反映され、ボディーブローのように効いてきます。

 

小説版と異なるラストの絵は必見

 

 3.聲の形

作者の才能を感じる作品

でもこういう描き方で作品を作ってヒットする事は今後あまりないんじゃないかと思う

 作者はメインテーマを描く舞台装置として先天性聴覚障害を描いています。

僕は30代前半ですが、その自分が子供の頃くらいの問題として

現実に存在していた分断です。

 

現実の世界でテクノロジーが進歩しており

こうした障害による分断が小さくなってきていると感じます。

漫画作品として公表出来た事もその分断が消えていっている事の反映ではないかと

思います。

 

20年前に漫画作品として

世の中に販売出来たのか分かりません。

酒井法子星の金貨も同様の設定がありますが

聴覚障害を問題性のある分断と人々が認識しつつ

作品の一部として構成して狙った舞台装置の役目を果たすのは

この時代、このタイミングが最後になると思います。

 

 

4.スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ(1) (Kissコミックス)

 

 最新が何巻だったか忘れてしまいました。

 imacを発表し死にかけていたAppleを救ったところあたりまで物語は進行しています。

さて、ここからが問題のipod,iphone,ipadの製品群の発表なのですが

映画でスティーブ・ジョブズを扱った作品はこれらの製品の製造過程について

全く触れていないのですね。

恐らくAppleからそのあたりの現役製品の裏話については

ブランドイメージを気にしてダメ出しされているのではないでしょうか?

 

本作品はウォルターアイザックソンの伝記が原作なので誰もが読みたいそのあたりの

事情を描いてくれるのか期待しています。

 

5.逃げるは恥だが役に立つ

世相を反映した作品

君の名は。新海誠が世相を調べたときみんな驚くほど恋愛してなかったと言ってましたが結婚を契約とみなすのは堂々としていて潔いですね

本来、婚姻は契約に準じるものだと思うのですが、

いつからか自由恋愛の結果に婚姻が存在するとみなされるようになっています。

じゃあ契約として婚姻を成立させたらどうなるのかねぇと作者が実験した結果という感じです。

恋愛の結果というより、この辺りまで契約的と少女漫画のテーマとして見なしうるまで

現代の婚姻の概念が変化してきたということです。

 

正直、現実では子孫の残し方について方法自体が変わってきており

日本では3組に1組が離婚する状況ですので

これまでの婚姻の概念についてもまともに保てるのはここ10−20年くらいではないかと思います。アメリカのfacebook卵子を凍結するのに補助が出たり、日本でも看護師の方が凍結処置をした事例がありました。

男性側にも精子バンクがあるように、先進国であるほど家庭による保護の有無に関わらず(ナニイとかロボットとかで育児を代替して)親の自由な選択の結果、子供が生まれて来る方向に推移しているように見受けられます。

遺伝差別になりかねないので慎重に述べないといけないですが

子供の形質はある程度親が選ぶか、もしくは人間の制御できない欲望により出生するのが大多数になりそうな予感がします。(デキ婚とか)

 

 

ビジネス書籍は時間がないのでまた今度

 

 

 

 

限界費用ゼロ社会を目指そう

ジェレミーリフキン著で

限界費用ゼロ社会という本を読了しました。

この方は以前エントロピーの法則に関する書籍を出版しており

文明とそれを支えるエネルギーの観点から今後の資本主義社会の推移を考察しています。

再生可能エネルギーを用いた分散型の生産者&消費者(プロシューマー)たちの経済が

資本主義の後継として今世紀の半ばまでに、経済の主役を担うことになると説いています。

高生産性を実現した社会では生産にかかる限界費用(製品1個作るの増やす時に必要な総コストの増加分)がゼロになるので製品もサービスも無料で提供され人々は製品にアクセスして消費するスタイルがメインになり

所有する事に意味がなくなり、共有することで生存権が担保されるという社会になるという指摘しています。

シンギュラリティ前夜の状況を表していると言えそうですが

カーツワイルの予測(シンギュラリティの到達予測年が2045年)については

楽観的過ぎるとの言及がありました。

リフキンの予測は2050年に共有型の経済が台頭するとの事。

個人的にはカーツワイルの予測はサーバールームのような電子機器と

ロボットやドローンのようなセンサーからのデータを相互に利用するシステムが確立できる分野では2045年までには成立するのではないかと思います。

 

限界費用ゼロ社会―<モノのインターネット>と共有型経済の台頭

限界費用ゼロ社会―<モノのインターネット>と共有型経済の台頭

 

 

リフキンが言及している社会の推移はシェアリングエコノミーの代表格として言及されるAirbnbUberのような企業の台頭、再生可能エネルギー発電量の綺麗な指数関数的増加で実証されつつあるというのが印象です。

 

こちら掲載のグラフとか

 http://www.energy-democracy.jp/831

 

 

 

農業のような生物学的な要素が多い生産活動も自動化され、人間はサイボーグ化されるというのが僕の予測なので2050年にIoTと自動輸送インフラをベースにした

限界費用ゼロ社会が実現するというのは僕としてはいささかリフキンの方が

AIの自動化の影響を少なく見積もってるように思われます。

しかしシンギュラリティ前夜の社会の状況を正確に把握するにはとても良い教材となる本だと思います。

ご一読あれ

 

 

「聲の形」 登場人物 好き嫌いとか

聲の形の劇場版を2度観に行ったのでこの作品について語らせてもらいたいと思う

www.youtube.com


映画『聲の形』 本予告

 

 

  • まずは漫画版について

 

僕は漫画版をTSUTAYAのレンタルブックで一気読みして

そのあとKindle版とibooksで全巻揃えたのですが、

漫画的記号で表現された登場人物でよくここまで読者に

「現実でもいそう、ありそう、こういう事あった」と感じさせる表現が出来るなぁと感心させられました。

普段からものすごく緻密に人間観察をしてそれを自分の絵で表現する訓練をしてないと出来ない業だと思います。

原作者の方は大今良時という男性作家のようなペンネームを使われているのですが、確認してみるとやはりというか女性の作家さんです。

やはりと思ったのはジョジョの作者の荒木飛呂彦氏が書いたこんな一文が頭にあり、これは生物的にも的を得ている意見だと僕は思っているからです。

 

49巻
最近は女性の歌手じゃないと聴く気がしないってのがあるけど、作家とかマンガ家とかでも、具体的に作品名は、あげないけれど、特に恐怖の分野に関して「こいつスゲー怖ェこと考える人だなぁー」と思って作品名を見るとたいてー女性。
個人的な意見なんですけど、女性にははっきり言ってズバ抜けた感じの建築士とか画家みたいな人は、いないと思うけれど、「情緒関係」についてみれば、かなわないって人が、たくさんいて、とても勉強になる。
最近は、その辺に注目して色んなものを見ている。

 

緻密に人間関係の情緒を観察し描きだせるのは女性的特徴の強みだと素直に思うのですが

こういう事を言うと怒られるんでしょうか?

この作品に出てくるキャラクターはみんな外見こそ漫画的な表現で描かれています。しかし個々のキャラクターが持つ特性は非常に現実的で生々しく感じられます。主人公もヒロインも含め、愚かさも賢さも人間の情感がそのまま漫画表現として語られており

彼らは善とも悪とも捉えられない、あくまで生の人間としてフラットに描かれていました。男性の作家ではまずこれほど生々しい人間関係を描ききるというのは不可能と言えるでしょう。

 

この作品はひたすらキャラクターの人間性を掘り下げ語る事で楽しめると思うので

ここではその人間関係を紡ぐキャラクター達を紹介していきましょう

 

・西宮硝子

 

漫画版

http://ichigoichie.jpn.com/wp-content/uploads/2015/10/%E8%A5%BF%E5%AE%AE%E7%A1%9D%E5%AD%90.jpg

 

映画版

http://blog.2ji-iro.jp/wp-content/uploads/2016/04/20160411_koe_3-510x347.png

 

劇中のヒロイン

動作がいちいちかわいいのですが

それが(漫画版では)あざとく感じません

聾者という特徴上作中での台詞は極端に少なく

一番大事な台詞も発音の問題で想い人に聞き届けてもらえない不憫な子

読者も視聴者も日本手話を解せる人はそれ程多くないと思われるので

人となりは彼女の表情や動作に注目して読み解く事になります

 

漫画版での作者の表情への表現の拘りはこのキャラクターに集約されていると思う

漫画の表情は常々記号的に出来ていると思うのですがこのキャラに関しては

コンテキストの質も含め漫画史に残る記号を毎回発明している様な

凄まじい表現の塊だったと言えるでしょう

ただ笑っている顔、困っている顔、あらゆる表情が言葉以上の表現で持って

語りかけてくる希有なキャラクター

 

何しにきやがったこいつ宮

http://blog-imgs-66.fc2.com/m/a/n/mangakikou/kJ0B4Qk.png

怒宮

http://blog-imgs-62.fc2.com/m/a/n/mangakikou/LO1KWyL.jpg

 

死ぬ事を決めて最期に観る花火

石田からは笑顔にしか見えない

http://livedoor.blogimg.jp/takamine_koh/imgs/0/f/0faccc10.png

 

 

びっくり泣宮

http://koenokatachi.up.n.seesaa.net/koenokatachi/image/KOEKATA_53_014.jpg?d=a1

 

進路を石田に聞かれて照れて困宮

http://koenokatachi.up.n.seesaa.net/koenokatachi/image/KOEKATA_59_008.jpg?d=a1

 

終盤素直な笑顔を見せる宮

http://livedoor.blogimg.jp/zakuzaku911/imgs/7/b/7bc034fe.jpg

 

 

当たり前ですが石田の視点からは

結弦と家族と同じく作中を通して顔に×がつかなかった人物で

彼は最初から最後まで少なくとも西宮の事を理解しようと努めていた事が伺えます。

 

石田将也

http://rr.img.naver.jp/mig?src=http%3A%2F%2Fimgcc.naver.jp%2Fkaze%2Fmission%2FUSER%2F20160920%2F72%2F7801162%2F145%2F499x717x1a6267a4b531b17e4f9ce23d.jpg%2F300%2F600&twidth=300&theight=600&qlt=80&res_format=jpg&op=r

主人公なのですが彼については正直あまり語りたくないのです。生々しく迫ってくるものが強すぎて

 

作者もキャラ達が自分の要素を持っている事で気持ち悪くなる感覚があると

言っていたのですが、この作品観た人はみんな自身の分身に近い人物を見出すと思うのですよね。そういうのは度を過ぎるとゴッホのようなおどろおどろしい自画像を描かれ目の当たりにさせられてるような心持ちがしてきて気持ち悪くなりませんかね?

 

劇エヴァでいうシンジ君のポジションを課せられている人物だと思うのですが

はっきり精神崩壊してくれるシンジ君より正気を保っている分

心情に人間性と社会性が残っており、生々しく気持ち悪いと言えるでしょう

贖罪を求めてさまよう少年

 

 

 

 

・植野直花

 

https://renote.s3.amazonaws.com/uploads/article_image/file/31944/2014053105.jpg

やってる事はかなり極悪非道ですが

読者が本心で思ってる事を言ったりやったりしてくれるので川井より評判がいい女の子です。

僕が映画観た後の後ろのカップルの会話はこんな感じ

女「川井が一番嫌い」

男「まぁ、ああいうのおったけどな」

女「(植野)なおちゃんはいいよね」

植野がなおちゃん呼びされる一方で川井さんは呼び捨てである。

 

読者の本音の部分を語る役割を課されたキャラクターで

石田も結弦も西宮を言い訳にしてるとこがあるので

その意味では植野は劇中で唯一西宮と良きにしろ悪きにしろ対等な人間として

自身の本音を持って接し続けた人物だと思います。

恋敵として西宮を敵視しますが終盤になって恐らく恋敵としてはそのままに

和解したのではないかと思われる描写もあります。

西宮に対して向けられる嫌悪感は植野と向き合うつもりがないという

西宮のコミュニケーション上の態度の欠点を理解した上でのものだったので

西宮側からアクションを起こす事で関係は改善されたのではないでしょうか

最終回の時点で同姓としては佐原より西宮をよく理解している人間になっていたように思います。それを素直に表現はしなかったかも知れませんが。

結局嫌いというのも執着の1つの形ですし、固定化した関わりの形態なんです。

彼女は映画と違って漫画では手話は多分最後まで何も覚えてないみたいですね。漫画では外面上は西宮が嫌いという関わりを保っていました。

 

想い人の石田に対しては西宮への劣勢が確定してから意識のない間に唇を奪う

玉砕覚悟でベッドに潜り込むなど力技に持ち込みますが

意識のない時の事は当然気付かれずじまいで

布団で待ち伏せを図った際にはピーナッツを投げられ撃退されてしまいました。

「生きるのを手伝って欲しい」というプロポーズ同然のお願いをされた西宮と比べると

再会時から石田の為に泣いたりその様を見られているのに

最後まで本心すら気付いてもらえない不憫な子

ひたすら本心をぶつけていく直情型にも関わらず西宮以上に

ディスコミュニケーションの塊だと思います。

読者の人気は高く、第2のヒロイン格

 

 特に理由しかない暴力が西宮を襲う

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布団に潜り込み獲物を待つ

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 ・川井みき

 

https://renote.s3.amazonaws.com/uploads/article_image/file/31945/219c028b.png

本作品を観た観客や読者から間違いなく一番嫌われている人物(次点で小学校教諭か)

作者によると彼女は裏表は特になく

彼女の正義感の元、正しいと思った行動に努めているだけだというのだが

正論は時に人を追いつめるという事の象徴か

薄暗い過去を持つ主人公たる石田を追いつめる方向に正義感は発揮されます。

 

それなりの自意識もあるようで高校時代まで我が身が可愛いのも間違いないですが

しかし注意深く読んでると確かに彼女は子供時代から積極的に西宮いじめに加担は

しておらず、態度としてはともかく言動としては石田を諌めていたのも彼女の劇中の言葉通りなのですね。

 こうした特性はやはり多くの読者の

現実の人間関係におけるポジションの取り方に一番近いのでしょう

故に彼女を観た読者はみんな

気色悪い自分の臓物を目の前に置かれるような

同族嫌悪の情が働き、彼女が嫌いになる。

彼女は善人でありたいという社会性を持つ人間が保有する正義感という

感覚がもたらす醜悪さの権化です。

ポリティカルコレクトネスが振りまく悪臭を具現化し

ひいては人間自身の社会が持つ欠点と歪を浮かび上がらせそれを観客に内省させてくれる、かわいこちゃん

そんな訳で僕は割と好きなキャラなのですが劇中では千羽鶴を集められなかったり

あまり周囲の人間からは信用されておらず、劇外でも評判は散々である。

https://renote.s3.amazonaws.com/uploads/article_image/file/31952/2014053102.jpg

 

 

 

 

 

 

色々な人物がいるんだけど僕にとっては

この4人が面白かった

 

結弦は中学生であんな男の子っぽい女の子は流石に無理じゃないかと

思うので漫画的な人物だと思うのですがどうでしょう?

結弦みたいな子がいたなぁって思う人いるでしょうか?

西宮母、石田母もいいキャラしてるのですが人物として色々考えてみて

面白いのは西宮母の方ですかね

 

この作品はどの人物をどういう風に語り、どう好き嫌いが分かれるかで

読者の10代の状況が透けて見えてしまうという恐ろしい群像劇になってるんですが

皆さんどうでしょうか?誰が好きで誰が嫌いでしょうか?

 

 

 

 作者にいいたい事

 

ファンブックで作者が「将也の側に恋愛感情は絡んでいません」

て言ってようと

 

どう考えてもこの一連のシーンは

プロポーズ以上の意味合いがあると思います

 

石田「君に生きるのを手伝ってほしい」

http://livedoor.blogimg.jp/dorj1980-buzz_manga/imgs/b/9/b95ab857.jpg

西宮「わかった」

http://koenokatachi.up.n.seesaa.net/koenokatachi/image/KOEKATA_54_016.jpg?d=a1

 

 

序盤で必要とされるのが嬉しいって言って鯉に餌をやってる西宮を鑑みれば

 

この台詞は

「生きている間はずっとあなたの存在意義でいさせて下さい」

って言ってる事に他ならない訳で

恋愛感情が絡んでないと言われても説得力がないっす

 

ファンブックを読んでると

「ここまで緻密に人間を描いてるんだから読めばあなたの心が映し出されるでしょう?

それを聞かせて下さいよ」

という原作者の心の声が聞こえてくるかのようでした。

 私は作者がファンブックでどこまで本当の事を言ってるのか怪しく思うのです。

 「回答は全て作品の中にある」 というのもジョジョ荒木飛呂彦氏の言葉ですが

聲の形の作者の大今良時もそういう作家なんじゃないでしょうか?

短期間で漫画の絵が向上した画力もさる事ながら

この人は人間関係を漫画という媒体で表現する事と

キャラクターの情緒を無数の観点からイメージし物語として構成するという事に関して天才的な作家だと思います。

 

 

もう少し建設的で知的な記事を書こうと思った

なんだか阿呆な事ばかり書いてるようで僕は少し反省した

うん、それだけです。

 

 

「君の名は。」 を3回観て思ったちゃんと映画に騙される為に必要な事(ネタバレ込み 既に観た人向け)

 

君の名は。」の世界に入り込む為の要件 

 

君の名は。を3回観ましたがよく言われてる美麗な背景や彗星の落下シーンの他には

三葉達の神楽舞のシーンのアニメーションの美しさ、

オープニングの三葉の動きの艶かしさ

走るシーンでの動きの滑らかさなんかがすごいと思わされます。

www.youtube.com

 

さて、どの映画も現実から乖離した面があり嘘をついています。

君の名は。で多くの人が気になる点は前回のエントリーで述べた点以外に

 
1.入れ替わりの際に3年間時間がずれてたら携帯で日付観たとき気付くよね?*1
2.普通にGoogle Mapで相手の住んでる所とか自分の住所調べれば話は早かったんじゃ?*2
3.好意を寄せている三葉の言う事とはいえ
 勅使河原は妄言のような神託を信じて変電所爆破するのはやりすぎじゃない?

とかこの辺りが気にかかって作品に入り込めない人がいると思うので

作品を楽しむために僕自身が受け止めた回答を書いておきましょう。

 

1と2について

入れ替わりが終わった後はお互い詳しい事は忘れてしまっていて

それこそ夢のようにあやふやに三葉、瀧という名前の人として生活していて

入れ替わりが起きていたという認識があるだけの状態という説明が

劇中でされていました。

二人がはっきり記憶出来る情報は文通よろしくお互いに残したメモや日記の内容のみのようです。*3

二人とも入れ替わった時の時間の不一致についてはテレビや携帯の時刻をみて

気付いた事はあるかも知れませんが

仮にそうであっても元の身体に戻る度に

その記憶はリセットされてしまったと思われます。

この点で奇妙なのは一度結びが終息する直前に

「明日は彗星が見えるね」と携帯に残した三葉側の認識です。

この時三葉は携帯を使いつつも時間の不一致に気付かなかった事になります。

 

僕としてはこの点は

この映画内の世界にAppleは存在せずiphoneの1年アップデートの規則は固定されておらず。*4

三葉が「東京に住むスタイリッシュな高校生がなんか知らないすごい最新機種使ってる!」

という認識でスマホを取り扱っている女子高生なんだと認識しました。

それに少なくとも実際のiphoneの待ち受け画面では西暦はデフォルトで表示されず

三葉がメモを残している(MyDiaryという劇中の)アプリの中でも

明示的に年度は表示されていません。

 

▼瀧の携帯 カレンダーアプリはどこに?

http://planaria-entertainment.com/wp-content/uploads/2016/06/etshhsh.png

▼このアイコンの筈ですがアラームに隠れてる?

http://appworkstyle.com/wp-content/uploads/2014/08/Calendar-Official.png

 

加えて細かいのは三葉が飛んだ3年後の立花瀧の家の居間には

瀧が彗星のニュースを見ていたテレビは存在しますが

瀧の父はテレビは使わずに朝はタブレットで情報をチェックしていました。

▼立花家の居間

http://cinemadori.jp/wp32/wp-content/uploads/md_kiminona_57_12.jpg

新聞やカレンダーの描写もなく

固定電話もありますが三葉が積極的に取るとは思えません。

三葉は入れ替わりの際に少なくとも時間のずれに気付く要素が少ない事が

見て取れます。

更にITリテラシーが低い三葉は端末やWebページの時間がずれていたとしても

システム側のエラーだと考えた可能性が高いでしょう。

普通の女子高生であればその方が

自分の意識が3年後にワープしたと考えるより自然な発想です。

三葉は少なくとも入れ替わりが途絶える前の最後の1日では

時間のずれに気付いていなかったのです。

 

2のマップで情報を調べなかった理由について

三葉が自分の故郷糸守を調べなかった理由については

「田舎暮らしに辟易していた所を東京にトリップ出来て1日だけ遊び回れる(それかバイト)状態なのにそんな事する理由も時間もなかった」

で十分ではないでしょうか?仮に調べて何かおかしいと思っても元の身体に戻ったときは忘れてしまった事でしょう。

結びの恐ろしい所は愛情を持つ相手の名前という重要情報すら時間が経てば消去される事で、糸守壊滅という重大情報も知っていれば

記憶から消された可能性が高いですが

寝る前のメモに何も残されていない様なのでやはり三葉はそもそも糸守の事は

調べようとも思わなかったのでしょう。

 

瀧はどうでしょう?

三葉の部屋にはカレンダーがあり余裕のなかった当初はともかく

状況を理解した後時間のずれに気付いた可能性は高いです。

マップを使って自分の居場所を調べた事もありそうです。

 

▼三葉の部屋 左上の方にカレンダーあり

http://cinemadori.jp/wp32/wp-content/uploads/kiminona_57_07.jpg

 

しかし気付いたとしてもやはり元の身体に戻った時は忘れてしまっていたのでしょう。終盤、瀧が三葉を探しにいく際に糸守の景色だけ覚えており

町の名前を覚えていなかった事がその事を裏付けています。

加えて瀧の側からは三葉に取り立てて急いで時間差の事を伝える必要はありません

瀧の住む東京は3年前にもしっかり存在していて調べた所でなんら異変はなかったでしょう。

気付いたとしても三葉には他に優先して伝える事があって3年間の時間のずれや

自分の現在地の情報は三葉へ伝える優先度が低かった*5訳です。

 

3 勅使河原が何故あそこまでして三葉のことを信じるの?

*1:瀧はどうみてもiphone 6以降で三葉は4か5以降を使ってるように見えるし三葉からは見た事ない最新機種使ってる状態

*2:劇中ではGoogleの様なサーチエンジンを使ってたし、iphoneの地図アプリも確認出来るし三葉は学校行くときに小説でGPSの機能使ってたし

*3:瀧の携帯に残したメモが削除された事から、このノートや携帯に残した情報も結びが終息すれば消えてしまうと思われます

*4:Macbook Airそっくりのノートブックには何故かRaspberry Piそっくりのロゴが印字されてますし。

*5:もしくは伝える必要がないと考えていた

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30代のおっさんが読んだ「君の名は。Another Side:Earthbound」の感想

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